動的平衡・・・・Dynamic equilibrium

最近、分子生物学の福岡伸一先生著「生物と無生物のあいだ」を読んだのでご紹介する。工学系の我々でも知的興奮をおこさせる話題が詰まっていることでは間違いない。私なりのほんのエッセンスを列記する。
① 生物を構成する分子は、日々入れ替わっていて、私達は「私達が食べたものにすぎない」。
② すべての生物は、分子の「流れ」の中の「淀み」なのだ。
③ 生命とは、流れの中にある動的なものである。等々とどこから読んでも良いと思います。
そして、特別興味をそそられた所は、遺伝子、酵素や細胞レベルの話の生成と損傷と修復の部分である。生きている生命体は、外からの攻撃や劣化等による損傷をいかに素早く修復していることである。流れの時間軸に沿って
修復を絶え間なく継続していることである。
ある仕事で、3.11被災地の東北復興現場を訪れる機会を得た。未だに瓦礫と復興は始まったばかりであるが、たくましい槌音はこれから徐々に大きくなるようだ。この風景と福岡伸一先生の述べる分子生物学的話が結びついて離れない。

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